野球部鼎談


東北大学で野球をしたいというそこのあなた。本学には野球ができる部活が正規団体だけで三つある。準加盟団体と登録団体も含めると8団体以上。どの団体に入るか迷っている人も少なくないだろう。

そこで、硬式野球部の小林さん(経・3)、準硬式野球部の虎太郎さん(経・2)、野球部の林さん(工・2)の3名で語り合う場を用意した(以下、敬称略)。ルールの違いはボールの種類のみ。おのおの、どのような活動をしているのか、学業やその他の活動との両立はできるのか。各部活の個性に迫る。

(聞き手は報道部・野澤凜太郎)

硬式野球部の小林さん、準硬式野球部の虎太郎さん、野球部の林さんの3名

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―お三方の交流は

林(軟):1ミリもないです(笑)。

神部(準):初めて会いました。

小林(硬):特に僕ら硬式は富沢グラウンドで、各キャンパスから離れたところにあるので。青葉山から原付飛ばして15分くらいかかる。だからそもそも会わないですね。たまに準硬式とグラウンドを。

神部(準):そうですね。貸していただいたりとか。

小林(硬):というくらいで、実際に会うことはまずない。活動している様子とかはほとんど見たことがないです。

林(軟):でも試合の結果とかは見ています。前、硬式が強豪の東北学院大に勝っていて、軟式でもすごく盛り上がりました。

硬式野球部練習風景

―練習のスケジュールは

小林(硬):硬式の場合、春休み中は月曜日と木曜日がオフでそれ以外は大体9時~13時が全体練習。そこから自主練して、残る人が午後5時とか6時までやっています。授業あるときは朝練が平日週2、3回。8時~9時でバッティング練習だけするとか。大体土日がリーグ戦なので、月曜はオフにしています。

神部(準):準硬式は、長期休みは週4回、火曜日、水曜日、金曜日、日曜日に 8時~12時。授業があるときは曜日は変わらず、4限終了後に日が落ちるまで。2、3時間くらいですかね。リーグ戦終わりの12月の半ばから春休みに入るまではオフです。

林(軟):軟式は授業あるときは火曜日、木曜日、土曜日の午後。火曜日、木曜日が4限後、土曜日が13時~17時。で、軟式の1番の特徴かもしれないんですけど、すごく休みます。

神部(準):そうなの?

林(軟):長期休みに帰省期間設けるんですよ。最初の10日か2週間くらい休みを入れます。あと試験前もゆるくて、1、2週間前になると土曜日しか練習がなくなります。もともと週3だったのが1回に。

―アルバイト事情を教えてください

小林(硬):ほとんどの部員がやっています。やっていない部員は1学年に1人か2人じゃないかな。業種は塾講師、デリバリー、飲食と幅広いです。頻度としては週2、3回くらい。昼入るのは練習があるのでありえなくて、17時以降にみんなシフト入れています。

神部(準):うちは多分全員やってて、大体週3、4回。部活ない日とか、部活が午前だけのときは午後にバイト入れたり。

林(軟):聞いていて意外だなって思いました。硬式さんなんてすごく忙しそうなのに。うちも同じ感じですね。特に軟式は時間制限されないので、みんな自由にバイトしています。週3くらいじゃないですか。

小林(硬):はたから見たら忙しいのかもしれないですけど、ルーティーンなので。慣れです。

林(軟)・神部(準):すごい。

小林(硬):リーグ期間中は朝練が6時45分~8時。バイトで夜の11時とか12時に帰って、5、6時間睡眠でそのまま来るとか全然ありますね。

軟式野球部練習風景

―学業との両立について

小林(硬):授業に行くなという風潮はないです。ただ、テスト勉強のために練習を休むっていうのは許されないかな。みんな全体練とかバイトとかやりくりしながら卒業しています。

神部(準):準硬式は、部活が学業に支障が出ることはないです。それほど忙しくないので、普通に家帰って、普通に勉強しています。

林(軟):僕ら軟式の、テスト前練習頻度を減らしてくれる制度には本当に助かっていますね。空いた期間に勉強にも力を入れられる。

―学外の活動は何かしていますか

林(軟):僕は留学に行きたくて、英語をやっています。今年の夏にカルフォルニアに行く予定です。

小林(硬):すごいなあ。

林(軟):なんだかんだ他の活動している人は多いです。兼部している人もいます。多くはないですが。

小林(硬):僕らはインターンシップとかは行きますね。でも1日とか2日。1週間のインターンに行って練習に行かないということは考えられない。禁止しているわけじゃないですが、そもそも練習を休むという発想がないです(笑)。とはいえ、就活自体で練習休むのはOKですね。

神部(準):うちも似たようなものですが、1週間行っても大丈夫です。1、2年生でインターンに参加している人もいます。

―部の雰囲気について

小林(硬):チーム目標は仙台六大学リーグで、ニ強の福祉大と仙台大から勝ち点を取ることですね。雰囲気としては、僕のような、入学したときから硬式に入るって決めていた人が多いので、いわゆる体育会系ゴリゴリではあると思います(笑)。全体練習はよっぽどのことがない限り休まないですし。でも練習している雰囲気はそこまで厳しくはないと思いますよ。監督もいますが、平日は来られないので、基本的には自分たちで。

神部(準):準硬式は代によってだいぶ目標は変わりますが、今の代は春リーグでの全国大会出場を目指しています。かといって硬式さんほどゴリゴリではないですね。上手にやろう、頭使って効率よくやろうって感じです。監督はいないので、選手みんなで意見を出し合いながら練習しています。

準硬式野球部練習風景

林(軟):僕たち軟式は仙台リーグで決勝に進むことを目標にしています。僕たちは3年の春リーグで引退なんですよね。他の大学は秋が大体集大成なんですけど、うちは春に1番チーム力が高まっているんです。だから目標は大体春に向けて立てています。

小林(硬):そうなんですか。硬式は4年の10月までやっています。

神部(準):コロナ前はたしかに準硬式も4年の秋でした。でも今は3年の夏、七大戦で引退です。まあ引退しないという選択肢もありますが。自由です。

林(軟):雰囲気の話してもいいですか。軟式は雰囲気が大事だと思っているんです。バイトとかで練習休むのは普通になしで、よっぽど法事とかないと。軟式、他と比べたらゆるく思えるかもしれませんが、ぼこぼこ休めるような部活じゃないです。練習の雰囲気は朗らかな感じですけどね。ちゃんと節度はあるんです。

―部の魅力とは

小林(硬):やり切れるということです。今までも硬式野球やってきてっていう部員がほとんどなんですね。大学で野球に区切りをつけることができるということが1番大きい。それだけ生活のほとんどが野球に染まるので。人生の最後に、野球を思い切りできるのが硬式野球部だと思います。

神部(準):準硬式の場合、個人としてもやりがいがあるところでしょうか。個人成績が良ければ選抜に入ることができたりだとか。それと、硬式みたいに決まった強豪校がいないんですよ。だから全国に行けるチャンスもある。目に見えた成果が出やすい、そういったところがいい部活です。

林(軟):そうですね、軟式は制限なく自由に野球をやれているのが、大学生らしくていいんじゃないかなって思いますね。

[2023年2月取材]※掲載学年などは取材当時の学年で表記

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